ISHIKAWA PREFECTURAL LIBRARY
いし かわ −石川県立図書館報−

郷土の歴史に学ぶ わかい芽を





情報発信−図書館から

史料編さん室

 白山に天の雪あり医王山次て戸室もたけなわの秋  晶子
 これは昭和7年、石川師範学校に講演に訪れた与謝野晶子が詠んだ歌です。同36年、この歌碑が戸室山頂近くに建てられました。俵小学校に新校長として赴任した村尾泰氏が、校舎から眺む戸室山の姿に感動し、歌碑の建立を思い立ったのです。
 金沢市立俵小学校の5・6年生4名は、秋の戸室山遠足で草に埋もれた歌碑をみつけ、その由来を研究しました。県内はもちろん、全国に分布する晶子の歌碑を調べ、晶子と交友の深かった金沢の歌人江戸さい子を知り、そして戸室山の歌碑建立に関わった人々との交流も実現しました。案内板を作り、歌碑周辺を清掃、道の草を刈り、研究成果は劇にして発表しています。
 校舎の裏の大乗寺山の地図模型を制作したのは、金沢市立長坂台小学校6年2組の皆さんです。ゴミ拾いや植樹を通して大乗寺山の環境保護を考えてきた生徒たちは、大乗寺・忠霊塔など同山の歴史的意味をさぐり、公園の未来像を創りあげました。
 県立金沢桜丘高校の郷土研究同好会は、県内のバスの現状を分析し、渋滞対策・福祉バスの2点から、新しいバスシステムのあり方を提言しました。県立鹿西高校染織部は、鹿島町の紺屋の型紙1,800枚を調査し、藍染めの復元も試みています。
 第6回(平成9年度)本岡三郎郷土文化賞は、右の4校が奨励賞に決まり、1月19日(月)当館で授賞式が行われ、会長の寺西県教育長から各校の代表に賞状と奨励金が贈られました。
 石川県地域史研究振興会は、前石川県文化財保護審議会会長で『加能史料』編纂委員長の本岡三郎氏が、石川県の史学振興のため県に寄せられた寄付金を基金として、平成3年発足しました。
 本岡三郎郷土文化賞と奨励賞は、この基金をもとに児童・生徒の地域史活動を奨励・顕彰するもので、史料編さん室が事務局を担当しています。県内の小・中・高等学校及び特殊教育諸学校の部・同好会・委員会・クラス等で、地域(郷土)史の研究を積極的に進めた作品を毎年11月に募集し、厳正に選考して表彰します。これまで文化賞は3校、奨励賞を17校が受賞しました。郷土の過去に学び、現在・未来を考える若い芽が育つよう私達も応援していきたいと思います。

1998
No.262
平成10年3月
編集・発行

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