石 川 県 立 図 書 館 報
第263号(平成10年7月) (3)

志雄町立図書館 新館オープン
 平成10年4月5日に、志雄町立図書館が、生涯学習センター・さくらドームコ内に開館しました。床面積466平方メートル、蔵書冊数約35,000冊の図書館です。館内は、明るく開放的な造りで、BGMが静かに流れ、ゆったりとした雰囲気となっています。
 当館は開館と同時に「石川県図書舘情報ネットワーク」に参加しました。これによって、県立図書館の蔵書検索と予約がオンラインでできるようになり、資料提供がスピードアップし、利川者の方に大変喜ばれています。
 また、学校図書館との連携と、児童サービスという点では、町内3つの学校の図書室にある端末と、町図書館の端末を結び、学校から町図書館の蔵書検索ができるようになっています。図書館から2.5キロ離れている樋川小学校へは、巡回サービスを開始しました。隔週木曜日に、約400冊の本を学校へ運び、昼休みにパソコンで貸出・返却を行い、多くの子どもたちが利用しています。
 このように、コンピュータを導入した結果、利用者へのサービスの幅が広がりました。
 館内行事としては、毎月第3土曜日に「おはなし会」を実施しています。ホランティアの方の協力のもと、絵本の読み聞かせ、手あそび、パネルシアター等を行い、毎回70人ほどの子どもたちと楽しい時聞をすごしています。
 開館してまだ日が浅いので、図書館をもっと知ってもらうために、毎月、図書館だよりを町内全戸に配布し、新着図書情報、行事案内、利用方法等のPRにも努めています。
 これからも、一人でも多くの方に利用していただくためによりよい図書館サービスのあり方を追求していきたいと考えています。

能登門前伊藤家文書の紹介
 このたび県立図書館では、石川県指定有形文化財「能登門前伊藤家文書」を受入れ、所蔵資料としましたので紹介いたします。
 伊藤家文書は、典型的な加賀藩十村文書です。その特徴から、戸口関係の奉公・出稼ぎや治安関係一件などの数村にまたがることがらについてその全体像をうかがい知ることができます。また、この地域全般の産業のなかでも、針金・漆・漁業関係の貴重な史料が含まれています。
伊藤家 伊藤家は、能登半島の西北端に位置する門前町館分の旧家です。館分村は伊藤家一軒のみの村です。藩政期には、行政上は隣村の馬場村に含まれ十村組も馬場組に属していました。史料においても、伊藤家自身、馬場村喜右衛門や馬場村ハ左右衛門と称しています。
 初代は、由緒書から武士であったことが推し量れますが、詳細はわかっていません。二代喜右衛門は慶長期より寛永8年まで十村役を、三代ハ左右衛門は承応年間に馬場、館分村の肝煎を勤めています。四代ハ左右衛門も両村肝煎を勤めていましたが、元禄7年に仁岸組53か村の十村役に就いています。この後は代々十村役を勤めています。
伊藤家文書 文書の総点数は3,273点です。内訳は、もっとも多いのが租税関係の451点で、次いで農林水産関係384点の御蔵・廻村御見立・網舟賃貸関係史料があります。支配関係の214点には、預所との貸借、村境争論、災害、大寺院の祠堂銭借用など十村役を悩ませた史料も多く、十村役の仕事と当時の世相を伝えるものとして注目されます。諸産業の分野は180点の史料があり、藩内での類例が少ない特産の針金鍛冶と漆稼関係に特筆すべきものがみられ、両産業の解明に欠かせない史料といえます。年代別では寛文年間がもっとも古く、量的に多いのは四代ハ左右衛門の十村役就任後の元禄7年からのものです。なかでも多いのは、江戸中期から後期にかけての史料です。
 文書の内容や詳細については『能登門前伊藤家文書目録』(昭和56年刊)をご覧ください。
利用方法 ご利用のときは係にお申し出ください。実際の利用については、マイクロフィルム版か写真帳版でお願いいたします。

おさがしの図書・資料情報は、お近くの市町村立図書館へ