一書申入候。繼目御前あいすむにおいては、しをきはつとの儀、それ〲のやく人、れん〱肥前(利長)申をき候其とをりに仕度候。いかゞ御座あるべく候哉。我等わかく御座候へば、肥前にはなれ、いよ〱十方(途方)も無之候間、御前可然やうに御ひきまわし奉頼候。然ば御前へそと被仰上儀まかりなるべきに候はゞ、本多あわの守手まへ之儀しかるべきやうに被仰上可被下候。公義日かげに候と申候て、肥前申をきのとをりをも度々ことはり申に付、めいわく申候。其元にて御いけん候て、肥前申をきのごとく、並にわれら申なりに、ほうこういたされ候やうにたのみたてまつり候。やうす之儀は、前田つしま(長種)・おく村つのかみ(榮頼)・みわら(水原)左衞門に申ふくめ候間、可得御意候。 六月十六日(慶長十九年) 土井大炊(利勝)樣 〔本多家譜〕 ○