基督教徒が慶長十八年を以て檢擧せられたる後、幕府は屢法令を發布して、その復活を防止し、各藩に在りては、高札を立てゝ之が趣旨を人民に傳へたりき。 高札 一、きりしたん門徒之事、侍・凡下によらず堅御停止候旨、江戸御奉行衆より被仰越候條、於御分國中彼宗旨たる者有之者、可被處曲事之由被仰出候間、可成其意者也。仍如件。 元和二年八月二十八日横山山城守 本多安房守 〔御定書〕