加賀藩領に屬する各郡本田の草高幾何にして、之に對する定納・口米惣額は幾何なりしか。叉この草高及び定納・口米中に就いて、給人・寺社・十村等の受くる所各幾何にして、藩の直接收入は幾何なりしか。本田以外定免新開・極高新開・請高新開・與力明知を合はせて藩の惣收入は如何なりしか。又この惣收入より代官口米を控除したる藩の實際收入高が幾何に上りしかは、事甚だ煩雜なりといへども、正租收入の状態を知るが爲に極めて緊要缺くべからず。故に今明治元年に於ける藩の取箇調理により、領内全部に亙りたる計算を掲ぐ。 能美郡 一、十二萬五千三百五十二石八斗一升九合御印高並新開本田直手上高共 一、六百三十六石四斗五升二合奉行附 内 一萬九千六百二十七石五斗三升六合檢地引高 二十三石七斗六升六合屋敷引高 四石五升七合御預人參畠 殘 十萬六千三百三十三石九斗一升二合村高 五萬千四百五石三斗三升八合定納口米 内 一萬七千五百八十六石六斗二升七合明治元年分給人知高 八千七石八斗一升四合此定納口米 八十二石二斗二升二合寺社領高 四十一石一斗四升四合此定納口米 百五石十村等御扶持高 五十八石九斗三升六合此定納口米 殘 八萬八千五百六十石六升三合草高 四萬三千二百九十七石四斗四升四合定納口米 内 八石八斗七升一合松任町稻荷屋敷等地子米引 三千十九石六斗九升五合定錢納定納口米引 二千四百二石四斗九升九合引免に當る定納口米引 二石六斗二升四合安宅水戸口水引免定納口米引 二百六十五石五斗三升七合引免に當る給人知引え足米引 但惣高二百九十五石一斗六升一合之内二十九石六 斗二升四合村々より御藏納米を以可引足米不足 に付給人知え百姓斗過米之分御藏米切手を以相渡 百十三石二斗三升七合奉行附ヶ所引免に當る定納口米引 殘 三萬七千四百八十四石九斗八升一合本田御物成高 一、九十二石二升一合定免新開七ヶ所高 二十三石五斗三升一合定納口米 内 三石一斗一升七合引免に當る定納口米引 殘 二十石四斗一升四合 一、五千五百六十一石三斗三升四合極高新開五拾九ヶ所高 内 八十七石二斗八升八合不納高 四百八石一升七合定納口米 一、三百七十六石八斗請高新開四十五ヶ所高 内 五十六石三斗不納高 十二石四斗九升八合定納口米 一、九千七十八石八斗七升三合與力明知本高 千三十六石一斗一升三合定納口米之内代官口米引去 五口〆 三萬八千九百六十二石二升三合 内 七百四十三石六斗四升五合侍代官並百姓代官口米石に付二升宛 二十九石六升右同斷錢納口米石に付一升宛 殘 三萬八千百八十九石三斗一升八合御藏入米