九里正長、字は仲夫、夕庵又は三三里人と號す。王代積年記二卷を著し、和漢の暦年を比較し、史實の大綱を撮り、將軍・諸侯以下知名人士の出處履歴を採録す。年契の最も詳密なる者なり。三十餘年を經て則ち成り、前田綱紀の閲覽に供せしに、綱紀之を賞して物を賜ひき。實に貞享二年三月二十四日なり。木下順庵其の書に跋す。元祿七年五月歿。