若し檢地により田積を實測し、その高何石と定むる時は之を極高と稱す。極高も亦草高なりといへども、特にその檢地を行ひたる點より見てこの名あるなり。改作法施行以前より存在したる古田(コデン)は、多く檢地の手續を省きて極高とし、之を無檢地極高といへり。新開などにて内檢地を經る時は、即ち極高新開と稱す。 分卦高とは、同一村内に在るも免の率を異にするもの、或は同免なりとも、飛地にして某村領と稱せられ、別立となり居るものをいふ。分卦高の中免の異なるものは、亦俗に免違高と稱せらる。 檢地出高とは、檢地を施行せられたる時餘歩あるととを發見し、爲に増加したる高をいふ。而して常に何年檢地出高と稱するも、別立となることなく、その村高を増加するに止る。 手上高は、畦畔荒地等を開拓し、又は先に變地引高となれるものを田畠に復舊したるとき、從來の村高以外、見積りを以て百姓より増加を出願したる高をいふ。 引高とは、變地等の原因により地元の收入を減じたるとき、檢地を受け不足高を減少したるものをいふ。收納藏・鹽藏建設等により村高を減少するときも亦之に同じ。 越石高とは、元來甲村の高なりしものゝ、乙村の高に轉ぜられたるものをいふ。能美郡小山田村高三百七十石の内九十石餘は大聖寺藩領に越高となり、又鹿島郡町屋村より滿仁村に越高あり。こは飛地に類せりといへども、尚成立の原因を異にするが故に越石高と公稱せらる。