各村の高及び免を調査し、百姓人別に持高を記入するものを品々帳と稱す。品々帳とは村々高免品々帳の略にして、寛文十一年に初り、組裁許の十村その組を一册としたるもの二通を製し、一册は十村之を保管し、一册は改作所に備へ付く。若し百姓にして切高・取高したる時は、品々帳に持高の増減を付札として改作所に提出す。改作所奉行則ちこの付札に捺印して返附し、同時に改作所備付の品々帳にも付札をなし置くなり。 諸郡各組に付いて村々の高・免等を記し、御算用場の代官割所に備へ付けられたるものを十村帳といひ、文政四年以後組高帳と改稱せり。然るに天保十年に至り、組高帳を高物成帳及び給人付帳の二種に別ち、その惣名を組高帳といふことに改む。高物成帳は、村御印に於いて村高の定められたる後、引高・手上高・新開等ありたるものを記し、差引の結果現在收納すべき額幾何なるかを明らかにし、給人附帳は、惣收納高に付き寺社領・給人知高として與へたるものと、藩の代官をして收納せしむべき御藏入高とを記し、知行割及び代官割を爲すの便宜に供す。 道程帳は、村高・給人知高・御藏入高・定納・免・代官・御藏に至る距離・給人米を納むべき町藏の所在と距離等を記し、知行割役所に備へ付くるものをいふ。毎年正月中に諸郡組裁許の十村より書出し、改作所の奧書を得て知行割役所に提出したるものなり。この帳は、新たに給人知を與ふる際に使用するものとす。