金澤の米場に於いてはその鎭守として天照皇大神宮を祀り、夜春に酒饌を奉りて仲買一同禮拜し、夏季には祭典を行ひて天下泰平五穀成就を祈祷し、以て盛宴を張れり。後萬延元年新たに九重の大盃を作り、祝賀の際必ず之を用ふることゝ定む。その最も大なるものは容量一升餘に達し、以下順次差あり。此等の什器・作法皆後に傳はれり。