本って楽しいよ! -家庭読書のすすめ- 令和4年度分

小学生(低学年)向き

しんぱいせんせい

しんぱいせんせい 北川チハル‖作 大野八生‖絵 佼成出版社 2021.5

新一年生のたつやは、心配ばかりしている担任のしんぺい先生のことを、こっそり「しんぱいせんせい」と呼んでいます。たつやは、人見知りの自分を心配し、何かと声をかけてくれる先生のことを重荷に感じていました。一生懸命な先生と子どもたちとの心温まる物語です。

ナメクジはカタツムリだった?

ナメクジはカタツムリだった? 武田晋一‖写真・文 岩崎書店 2021.6

カタツムリとひとくちにいっても、カラの大きさや色、渦巻きの向きも様々です。日本中のカタツムリを見比べながら、ナメクジとの関係や進化の不思議などを迫力あるたくさんの写真とともに紹介しています。カタツムリを見つけたら、じっくり観察したくなります。

2ひきのジャッカル ーイランにつたわるおはなしー

2ひきのジャッカル:イランにつたわるおはなし 愛甲恵子‖再話 アリレザ・ゴルドゥズィヤン‖絵 玉川大学出版部 2021.4

ジャッカルのディムナは、森の王さまであるライオンの手下になれないことを、いつも不満に思っていました。ある時ディムナは、森の近くにやってきた牛のシャンザバを利用して、ライオンの手下になろうと計画します。友情の難しさや誰もが持つ欲について、深く考えさせられる絵本です。

小学生(中学年)向き

伝え守る -アイヌ三世代の物語-

伝え守る:アイヌ三世代の物語 宇井眞紀子‖写真・文 少年写真新聞社 2021.12

アイヌの血を引くある一家の生活を紹介した写真絵本です。アイヌは、昔から日本列島北部に住む先住民族で独自の言葉や文化を持っています。それぞれの方法で伝統を継承していこうとする一家の姿は、アイヌ文化を理解し、違いを認めあうことの大切さを考えるきっかけになりそうです。

ロサリンドの庭

ロサリンドの庭 エルサ・ベスコフ‖作 菱木晃子‖訳 植垣歩子‖絵 あすなろ書房 2021.2

6歳の少年・ラーシュ・エリックは病気がちで、いつもひとりぼっちです。ある時、部屋にはられた花柄の壁紙の向こうからロサリンドという女の子が現れました。ラーシュ・エリックは、ロサリンドが起こす不思議なできごとを通して、自然の美しさや生きる楽しさを知っていきます。

クモのアナンシ  ージャマイカのむかしばなしー

クモのアナンシ:ジャマイカのむかしばなし フィリップ・M.シャーロック‖再話 マーシャ・ブラウン‖絵 小宮由‖訳 岩波書店 2021.6

アナンシは、ある時はクモ、ある時は人間の姿をし、知恵をめぐらせて自分よりも体の大きい動物たちをやりこめます。ずるがしこくも愛嬌のあるアナンシが登場するお話は、カリブの島々で長く親しまれてきました。楽しいお話とさし絵で、どんどん読み進められる昔話集です。

小学生(高学年)向き

山の上の貝がらがあるのはなぜ? ーはじめての地質学ー

山の上に貝がらがあるのはなぜ?:はじめての地質学 アレックス・ノゲス‖文 ミレン・アシアイン=ロラ‖絵 宇野和美‖訳 岩崎書店 2021.12

地層のできかたやその色の秘密などが、美しい絵と分かりやすい文章で描かれています。ダイナミックな地球の歴史を知ることができ、地質学への興味をかきたてられる一冊です。なぜ海の生きものであるカキの貝がらが山の上で見つかるのか、この本を読んで答えを見つけましょう。

ガラスの犬 ボーム童話集 (岩波少年文庫)

ガラスの犬:ボーム童話集 フランク・ボーム‖作 津森優子‖訳 坂口友佳子‖絵 岩波書店 2021.6

『オズの魔法使い』の作者による、魔法や妖精たちが登場する短編集です。衣装箱から出てきた盗賊たちのお話、魔法のあめ玉がまき起こす大騒動、時の神をつかまえたいたずら好きの少年のお話など、不思議とユーモアにあふれたおとぎ話が8つ収められています。

サヨナラの前に、ギズモにさせてあげたい9のこと

サヨナラの前に、ギズモにさせてあげたい9のこと ベン・デイヴィス‖作 杉田七重‖訳 小学館 2021.7

両親が離婚し、親友ともうまくいかなくなったジョージにとって、愛犬のギズモはかけがえのない存在です。ある時、ギズモの死期が近いことを獣医に告げられたジョージは、ギズモにさせてあげたいことリストを作りました。実現のために奮闘するジョージとギズモを応援したくなります。

中学生向き

ヤーガの走る家

ヤーガの走る家 ソフィー・アンダーソン‖作 長友恵子‖訳 小学館 2021.3

マリンカが祖母と暮らす家には、鳥の足がはえています。祖母は、この家で死者を迎え、星へと送り出す「門の番人」で、マリンカも将来は番人になることを運命づけられていました。けれどマリンカは、生きている人たちの世界で暮らすことを切望し、自分の生きる道を模索しはじめます。

妖怪がやってくる(岩波ジュニアスタートブックス)

妖怪がやってくる 佐々木高弘‖著 岩波書店 2021.7

妖怪は古代から記録に登場し、現在もアニメで描かれるなど、繰り返し人間の前に現れます。妖怪の正体を、古代の資料や地図から読み解き、様々な学問の視点で考える本です。解き明かされる妖怪の姿に驚かされ、同時に、ものごとを調べたり考えたりすることの楽しさを知ることができます。

セカイを科学せよ!

セカイを科学せよ! 安田夏菜‖著 講談社 2021.10

母がロシア人のミハイルは、自分の目立つ容姿が嫌で、極力控えめに生活してきました。ある日、日米にルーツを持つ型破りな転校生がやってきます。蟲(ムシ)が大好きな彼女と科学部で活動するうちに、ミハイルは変わっていきます。「自分とは何か」を考えるきっかけをくれる物語です。

高校生向き

国語をめぐる冒険 (岩波ジュニア新書)

国語をめぐる冒険 渡部泰明‖著 平野多恵‖著 出口智之‖著 田中洋美‖著 仲島ひとみ‖著 岩波書店 2021.8

「国語」って何のために勉強するのでしょうか?この本では、古典作品や現代文学作品の読解の方法、文章の書き方、そもそも「国語」とは何か、などが解説されています。自分を表現し、他人と理解しあう「言葉」を獲得するための「国語」の重要性に気づかせてくれます。

いちご×ロック

いちご×ロック 黒川裕子‖著 講談社 2021.4

受験の失敗、失恋、家庭内のいざこざなどが続き、高校1年の夏、海野苺(いちご)は人生に絶望していました。そんな最中、彼女は突然エアバンドに誘われます。バンドのメンバーは少し変わった人ばかり。周囲や自分自身へのイラ立ちを音楽に乗せて爆発させる、痛快で爽快な青春劇です。

ミシシッピ冒険記  -ぼくらが3ドルで大金持ちになったわけ-

ミシシッピ冒険記:ぼくらが3ドルで大金持ちになったわけ ダヴィデ・モロジノット‖著 中村智子‖訳 岩崎書店 2021.7

1904年、アメリカ・ルイジアナ州、ミシシッピ川の河口地帯を遊び場にしていた4人の子どもたちは、ある日沼地で3ドルを拾います。この3ドルは、やがて彼らを冒険へと導くことになりました。4人は己の勇気と知恵と夢を携えて、ミシシッピ川をさかのぼる旅に出かけていきます。

新しいMY SHOSHOのタイトル